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リレーションシップマーケティングとは?メリットや施策、製造業における重要性をまとめました!

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CIRCUS TRAIL編集部

現在、市場における淘汰や競争は進み、継続的に安定した利益を生み出したり、長期的に差別化を図ることが難しくなっています。そのような中、SNSなどの普及で消費者は自ら必要な情報を集めるようになり、より個人の顧客と企業の関係に注目した施策を行う必要性が出てきました。

そこで注目されているのが今回ご紹介する「リレーションシップマーケティング」です。本手法は顧客と長期的に良好な関係を構築することで、商品のリピート購入・単価アップを狙い、顧客の生涯価値を最大化します。

本記事ではリレーションシップマーケティングについて、その重要性が増している背景やメリット、具体的な手法などを詳しくご紹介します。また、製造業においては従来から営業活動におけるリレーション構築が重要視されてきましたため、そちらに関しても記事内で触れていきたいと思います。

目次

リレーションシップマーケティングとは?


リレーションシップマーケティングとは、顧客と長期的に良好な関係を構築して商品・サービスの満足度を上げることで、企業利益の最大化を目指すマーケティング手法です。

本手法は自社商品やサービスの市場シェアを広げるよりも、「顧客との良好な関係性の構築」に重きを置くのが特徴です。優良顧客との継続的な取引や口コミによる拡散を通じて、企業・製品ブランドや顧客ロイヤリティの創出を目指します。

顧客の視点を第一に考え、ニーズを満たす商品・サービスを提供するだけでなく、購入後もフォローを行うことで長期的に良好な関係を築くリレーションシップマーケティングは企業における重要度が増しており、様々な企業で導入されています。

以上が一般的な「リレーションシップマーケティング」の説明になりますが、実は製造業においては、顧客のニーズに合わせて製品を共同開発したり、機器の入れ替わりのタイミングを把握するために、従来からリレーションの構築が重要視されてきました。マーケティングという言葉は使われていないものの、「関係構築」という重要な要素は、リレーションシップマーケティングの本質と同様です。

ではなぜ、製造業以外でもリレーションマーケティングが重要視されるようになったのでしょうか?次章ではその背景をご紹介します。

リレーションの重要性が増す背景


リレーションシップマーケティングの重要性が増す背景には、消費者や商談を取り巻く様々な変化があります。大きく3つに分けてその変化を詳しくみていきましょう。

消費者行動の変化


インターネットの登場及び近年のスマートフォンの普及によって、消費者は自分の欲しい商品やサービスに関する情報を自身で手に入れられるようになりました。するとこれまで一般的だった「売り手から情報を与えられるのを待つ」消費者は減り、「自ら情報を集めるための能動的な行動」を取る消費者が主流になったのです。このような変化は、リレーションシップマーケティングが重要視されるようになった大きな要因です。

消費者の集める情報量の変化


消費者行動の変化によって、消費者は自分にとって必要な情報をいくつも集められるようになり、商品・サービス購入を検討する際の情報量は急増しました。また、その情報ひとつひとつを吟味し、理想の商品・サービスを納得できるまで探すようになったことで商品購入を検討する期間は長期化しています。 そこで一時的な売上を重ねるよりも、長期的に関係を構築することを重視するリレーションシップマーケティングが注目されるようになったのです

また、上記のような変化から現在市場は消費者優位の状況にあります。このような状況は、顧客の視点を第一に考慮するリレーションシップマーケティングの必要性を生み出しました。

パーソナライズの必要性


消費者が「自分に必要な情報」を簡単に手に入れることができるようになった今、従来のような画一的な情報の提供・アプローチは効果が低いとされています。 データを元にしたパーソナライズ化された情報の提供が必要になっているのです

インターネットを活用したデータ分析によって、消費者側のセグメントやそれにマッチした施策を検討し、それぞれに最適化したアプローチが必要になります。

このような背景から、有益な情報提供を中長期的に行い、消費者と良質な関係を構築していくことを主眼とするリレーションシップマーケティングが非常に重要とされているのです。

製造業ではリレーション構築は昔から重要


近年、MAツールやCRMツールの活用が増え、「リレーションシップマーケティング」の大切さが再度騒がれていますが、既述の通り製造業にとってリレーション構築は昔から重要なプロセスでした。ここで改めて、製造業においてリレーション構築が重要な理由をご説明します。

デジタルツールがなかった頃には、現場の営業マンのヒアリングやニーズ把握が、重要なマーケティング活動でした。当時はマーケティングという部署はなかったものの、実は今デジタルで実施していたことを、営業マンや技術者1人1にが実施していたのです。

ただし、営業が貯めた情報を蓄積したり引き継いだりする手段がなかったため、属人化は課題に。一方でCRMやMAツールを活用すれば、一定のリレーション構築は実施できるようになるため、非常に重宝されています。

もちろん、直接人と人が合うことによるリレーション構築とは全く質が異なるのですが、データ蓄積や標準化・効率化といった観点で言えば、うまくツールを使いこなすことで過去のネックを解消し営業成果を最大化することができます。

リレーションシップマーケティングに注力するメリット


リレーションシップマーケティングを実施することで得られるメリットは大きく4つ挙げられます。詳しくみていきましょう。

客単価の向上


リレーションシップマーケティングを実施して優良顧客を生み出すことで、1回の購入金額や年間平均購入金額向上が期待でき、客単価はアップします。また、良好な関係の構築によって企業に対する信頼感が高まっているため、関連商品などを購入してもらえる可能性も高まり、顧客単価はさらなる向上が狙えます。

リピート率アップ・新規顧客獲得のコスト低下


顧客からの信頼を得られれば、顧客は他社商品の検討や乗り換えの必要がなくなり、自社商品・サービスを繰り返し購入してくれるようになります。毎回満足してもらえる商品・サービスを提供できれば、解約率の低下も実現可能です。

また、リピートによる購入で売り上げを確保できれば、新規顧客開拓へコストの削減もでき、少ない労力で売上アップを図ることができます。

口コミによる拡散


SNSやWebサイトの利用が一般的な現在、口コミの効果は絶大です。 顧客をロイヤルカスタマー化できれば、顧客は「無料の広告塔」として周りに商品・サービスを宣伝してくれ、口コミによる新規顧客の獲得機会を増やすことができます。

また、購入の際には商品に関するレビューも大きな判断材料になります。優良顧客による口コミやレビューによって客観的な信頼度を高めることで、自社商品のプロモーション効果が期待できるのです。

顧客のLTV(生涯価値)向上


Life Time Valueの略であるLTV(生涯価値)は、「顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益」を指します。既存顧客からのリピート購入には顧客獲得単価がかからないため利益を最大化することができ、LTVの数値は新規顧客の数よりも重要とされています。

リレーションシップマーケティングを実施することで、顧客のLTVは大きく向上します。

ツール導入による情報の蓄積やニーズ把握


顧客とのリレーション構築を目的としてツールを導入した場合、おそらくメールを配信したり会話の情報を記入していくはずです。そのデータがツールに溜まっていくことで、仮に担当者が変わっても顧客の情報を正確に引き継ぐことができます。

特に製造業は、顧客の製品の入れ替えタイミングや具体的なニーズが、営業数字を左右します。そのため、ヒアリングできた情報は確実に社内に蓄積し、その時が来た時に気づく必要があります。

こういったツールの導入及び情報の蓄積により自社の売上を伸ばしていけることも、リレーションシップマーケティングの大きなメリットです。

リレーションシップマーケティングの具体的な手法


リレーションシップマーケティングについて詳しくわかってきたところで、本章では具体的な手法をご紹介します。顧客との良好な関係を構築するには、以下のアプローチが有効です。

データベースマーケティング


データベースマーケティングでは、購買履歴や属性情報、アンケートの回答など、様々な顧客情報を収集・管理・分析し、顧客の興味・嗜好によりマッチしたアプローチを行うことで売上アップを目指します。 データベースマーケティングの目的は新規顧客開拓ではなく、あくまで既存顧客との長期的且つ良好な関係を構築することにあり、リレーションシップマーケティングにおいて非常に効果的な手法です。

顧客のニーズに主眼を置くことにより、きめ細やかなサポートを行えるほか、顧客のニーズの発生を捉えたアプローチによる受注の可能性アップや、顧客情報の一元化による手間の削減で、効率的な販促活動を実現できるというメリットがあります。

その反面、常にデータを最新に保つため、行ったプロモーションを随時データベースに反映させる必要があります。また適切な分析を行うために、データの用途や目的をクリアにしなければならないなど注意が必要です。

アカウントベースドマーケティング


アカウントベースドマーケティングとは、BtoBにおけるマーケティング手法です。 自社にとって価値の高い優良顧客を選別して、それぞれの企業に合わせた戦略的なアプローチを行います。顧客の量よりも質を求めることで、高いLTVが見込める企業にリソースを集中することができ、無駄を削減して効率的なマーケティング活動を実現できます。

あらかじめ企業を絞り込んでいるため追跡もしやすくなり、複数に渡るアプローチを検討・分析することで精度の高いアプローチも可能になります。しかし、運用が軌道に乗るまでは本手法を営業部門へ落とし込むのが難しいというデメリットもあり、営業部門とマーケティング部門で認識をすり合わせるなど、調整を続けていく必要があります。

OnetoOneマーケティング


OnetoOneマーケティングは、顧客1人ひとりのニーズ・関心に合わせてアプローチを行うマーケティング活動です。それぞれの顧客の価値観や興味・状況などの情報を把握・分析した上で実施します。 ターゲットを絞った情報発信を行うことでマーケティングの費用対効果を高めつつ、顧客のニーズを満たすことで関係性の向上も見込めるという点がメリットです。

マスに向けて一斉に情報を発信するわけではないので、複数のマーケティングなどの組み合わせやターゲティングの必要があり手間がかかるという一面もありますが、その分高い効果が見込めます。

まとめ


本記事では、顧客と長期的に良好な関係を構築して商品・サービスの満足度を上げ、企業利益の最大化を目指すマーケティング手法「リレーションシップマーケティング」をご紹介しました。

成功している企業では、適切なリレーションシップマーケティングが実施されている例も多くあります。 本手法をうまく活用できれば、収益を最大化するだけでなく、長期的に安定した利益を確保できるようにもなるため、企業にとって非常に重要な施策です。

現在ではリレーションシップマーケティングを実施するために利用できる様々なツールも登場しています。本記事でご紹介した手法を参考に、リレーションシップマーケティングの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。