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メルマガとは?基礎知識や配信方法、作り方、実際の成功事例などを紹介

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CIRCUS TRAIL編集部

メルマガ(メールマガジン)とは、顧客や会員に向けて、お知らせやクーポン、お役立ち記事などの情報を配信するメールのことです。マーケティングにおける主な手法の一つとして、多くの企業で活用されています。

単にメルマガといっても、様々な配信方法や形式、配信する目的やメリット・デメリットがあります。それらを十分に理解した上で、自社の目的に最適な施策を実施することで、大きな成果につながるでしょう。

本記事では、メルマガの基本的な知識について確認しながら、実際の配信ステップや注意点、メルマガを活用した成功事例などを詳しく解説します。

目次

メルマガとは?

メルマガの概要や役割、有料メルマガと無料メルマガの違いなど、基礎知識について解説します。

メルマガとは

メルマガ(「メールマガジン」の略)は、企業などが顧客や会員に向けて、お知らせやクーポン、お役立ち記事などの情報を配信するメールのことです。マーケティングにおける主な手法の一つとして活用されています。

SNSが登場したことによりコミュニケーション手段は多様化し、「メルマガは時代遅れ」と言われることもありますが、実際には多くの企業が現在もメルマガ配信を通して大きな成果を上げています。

自社がメルマガを配信する目的を明らかにして最適な手法で運用すれば、メルマガは現代でも非常に有効な施策の一つなのです。

【関連記事】
第1回:メールマーケティングとは?
第2回:メールマーケティングの種類 - エムタメ

メルマガの役割

メルマガには、顧客や会員にとって価値のある情報を定期的に配信することで接点を持ち、良好な関係構築を築くという役割があります

たとえば、メルマガ内に記載したリンク先へ遷移してもらったり、メルマガのお知らせからキャンペーンやイベントに参加してもらったりすることで、コミュニケーションを持つ機会を創出できます。

業界情報やトレンド情報を配信すれば、自社のサービス・商品への興味関心を引き出せるでしょう。ユーザーにとって価値の高い情報を定期的に提供すれば、自社への信頼性の向上やファンの育成にもつながり、関係性をさらに強固なものにすることも可能です。

有料メルマガと無料メルマガの違い

メルマガには有料のものと無料のものがあります。両者には料金の有無以外に、どのような違いがあるのでしょうか?

読者が配信元に料金を支払って購読する「有料のメルマガ」は、会員限定の情報価値の高いコンテンツや貴重性の高いノウハウなど、クオリティの高い情報を提供するため、メルマガ自体に価値があるのが特徴です。「ファンとの強固な関係を構築すること」や「コアな顧客を育成すること」を主な目的としています

一方、費用が発生しない「無料メルマガ」は、自社商品やサービスの認知拡大や購入、そのための読者数の増加が主な目的です。マーケティング戦略の一部として活用され、できるだけ多くの人にアプローチし、定期的な配信によって見込み顧客を獲得・育成します。

メルマガ配信の目的

メルマガを配信する目的には、大きく分けて3つの目的があります。それぞれの目的について見ていきましょう。

目的①「情報伝達」

メルマガを配信する目的の一つは、「情報の伝達」です。顧客にとって価値のある情報を伝えるためにメールを配信します。

顧客満足度の向上を図るため、商品やサービス情報だけではなく、豆知識やお得情報などの顧客にとって有益な情報を提供することが大切です。具体的には以下のようなメールが該当します。

  • 商品購入後のフォローメール
  • 会員登録完了のお知らせメール
  • サービスに関するQ&A
  • 自社ブランドに関するストーリーを解説するメール
  • ノウハウや最新情報などに関するコラムメール

目的②「送客」

「送客」を目的とするメルマガとは、自社サイトやイベント、自社店舗への参加や来訪を促すメルマガです。

メルマガはユーザーに対してこちらからアプローチができる「プッシュ型」の手法であるため、メルマガ配信による情報提供によって、自社の商品・サービスに対する興味や、自社に対する親近感・安心感を持ってもらうことができます。

そうすることで顧客に自社サイトへ辿り着いてもらい、問い合わせなどのアクションを起こしてくれた顧客に対して、さらにアプローチを行います。

目的③「購買」

メルマガを配信する3つ目の目的は「購買」です。新商品の情報やセール情報、キャンペーンのお知らせやクーポンなどを配信し、顧客の購買意欲を高めたり、購入を促したりします

本メルマガでは、読者に自社サイトを訪れてもらい、商品・サービスを購入してもらうことが最終的な目的です。リピーターになってもらうために、特定の条件下のユーザーだけにクーポンを配信するケースもあります。

メルマガを配信するメリット・デメリット

メルマガを配信するとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?それぞれ詳しくみていきましょう。

メリット

メルマガの配信には主に4つのメリットがあります。

迅速な情報配信ができる

メルマガは、配信するコンテンツとリストを用意できればすぐに配信できるというメリットがあります。

DMやチラシを用意するのに比べて時間がかからないため、最新情報をいち早く読者に届けることができます。情報の更新や変更、差し替えも容易にできるので、配信の直前まで対応できるのも大きなメリットです。

顧客に必要な情報をすぐに届けられます。最新の情報をスピーディーに配信できるほか、直前まで情報の変更や差し替えが可能な点もメリットです。

低コストで運用可能

低コストで運用できる点はメルマガ最大のメリットといえます。

たとえばDMやチラシを配布する場合、紙代・印刷代・郵送代などの費用に加え、手書きの一言を添える作業や送付作業にかかる人件費などがかかります。

一方、電子メールを活用するメルマガは物理的な費用はかからないため、他の手法と比べて低コストで運用することが可能です。メルマガ配信ツールなどを活用して一斉に大量のメール配信もできるため、1件あたりの経費も安く済み、コストだけではなく時間と労力も削減できます。

ターゲットに最適なアプローチができる

メルマガは、ユーザーの属性情報(年齢・性別・居住地・趣味嗜好など)に基づいてターゲットを絞れるため、各ユーザーに最適なアプローチが行えるというメリットもあります。

たとえば、30代女性向けの化粧品情報を60代のユーザーに配信しても、購入につながる可能性は見込みづらいでしょう。ターゲットをセグメント分けすることで、より的確にニーズを満たす情報を提供できるので訴求力が向上し、商品・サービスへの購入につながる可能性も高まります

また、自社商品の購入履歴があるユーザーや前回のメルマガに反応したユーザー、登録者などに限定して配信することも可能です。自社に関心の高いユーザーにアプローチしやすいので、高い効果が得られやすくなります。

プッシュ型販促で効果が出やすい

メルマガは「プッシュ型」の販促なので、すぐに効果が出やすいのもメリットといえます。

マーケティング手法は「プッシュ型」と「プル型」に分けられ、「プッシュ型」は企業側からユーザーに積極的にアプローチする方法、「プル型」はユーザー自らアクションを起こしてもらうように仕向ける方法です。両者に優劣はなく、状況や目的によってうまく組み合わせて活用することで、成果の最大化を図れます。

「プッシュ型」の特徴は「コストがかかる一方で即効性がある」だと言われていますが、メルマガの場合はプッシュ型でありながら低コストで運用でき、即効性もあります

デメリット

メルマガ配信にはデメリットも存在しますが、工夫して対応することで効率よく運用することができるため、デメリットについてもしっかりと把握しておきましょう。

手作業で行うとリソースがかかる

メルマガの配信業務には、リストの管理やコンテンツ作成、効果測定など様々なものがあり、手作業で行うと多くの時間・労力、リソースがかかってしまうというデメリットがあります。

この問題を解消するために、多くの企業ではメルマガ配信ツールやMAツール(後述)を活用してメルマガ配信作業に取り組み、業務効率化を実現しています。

様々なサービスが登場しているので、初めての導入で不安がある場合は、フリープランや低額で始められるものからお試し感覚で始めてみると良いでしょう。

未開封・迷惑メールと認識される場合がある

未開封のまま捨てられてしまうケースや、迷惑メールと認識されてしまうケースがあるのもメルマガ配信のデメリットといえます。

また読者の興味を引きつけるために、過度にユーザーを煽るような文言を件名などに記載すると、迷惑メールと判断されてしまうケースがあります。受信してもらっても必ず開封されるとは限らない上、迷惑メールに分類されて受信トレイにすら届いていない可能性もありうるでしょう。

このような事態を防ぐためには、配信するタイミングや配信タイトル、配信頻度に気をつけて取り組むことが大切です。メルマガ購読解除への導線をわかりやすく工夫する必要もあります。

メルマガの配信方法

メルマガの配信方法について、主な3つの方法を紹介します。

メールソフトでのBCC送信

メールソフトでのBCC送信は、普段利用しているメーラーを通して複数のメールアドレス宛に一斉配信できる方法で、メルマガの配信先が少ない場合におすすめです。

BCC送信では、受信者に各送信先のメールアドレスが公開されず、別途システムを導入する必要もないため、メルマガ配信のもっとも手軽な手法だといえます。

ただし、配信先のメールアドレスを間違えてTOやCCに入力してしまうなどの人為的ミスが起こると、個人情報漏洩などのリスクがあるので細心の注意が必要です。多数に向けた配信はおすすめできません。

さらに、配信先の環境によってはスパムとして扱われてしまい、読んでもらえないケースもあり得ます。

メルマガ配信システム

メルマガ配信システムは、配信リスト内のユーザーに向け、メルマガを大量配信・一斉配信できるシステムです。専門知識やテクニックがなくても、誰でも簡単にメルマガを配信・管理できます。

細かい機能はシステムによって異なりますが、配信したメールの効果測定や予約配信などが行えるツールも多いです。配信における人為的ミスの発生も削減できるでしょう。

定期的に大量のメルマガを配信したい場合は、メルマガ配信システムをおすすめします 。

MAツール

MA(マーケティングオートメーション)は、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化」する一連のプロセスを指し、それらを実現するツールのことをMAツールと呼びます。

基本的にMAツールにはメール配信機能が備わっているため、同機能を活用して効率的にメルマガ配信を行うことができます。

MAツールはシステム内の顧客情報をセグメント分け・ターゲティングする機能もついているため、各顧客に最適なメルマガの配信が行えるのが最大の特徴です。メールの開封率をはじめ、メルマガ内のクリック率やログなども貯めることができ、より詳細で精度の高い効果測定が行えます。

メルマガ配信の効果の最大化を目指すのであれば、MAツールの導入がおすすめです。 

【関連記事】
マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?基礎知識や活用手法、選定方法などをまとめて解説
第1回:マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?

メルマガの形式

メルマガには、文章のみで作成される「テキストメール」と、画像や動画の挿入や文字の加工ができる「HTML」という2つの形式があります。自社の目的等に合った形式を選ぶため、それぞれの特徴をしっかりと理解しましょう。

【関連記事】
メルマガの基本:HTMLメールとテキストメールのメリット・デメリットを理解しよう

テキストメール


テキストメールは、通常配信するような文章のみで作成された一般的なメールを指します。1to1メールの場合は、この形式でやり取りされることが多いです。

画像の挿入やレイアウトを変更するHTMLメール(後述)と違い、テキストのみで見た目が地味になりやすいため、記号を活用して装飾を行い、強調すべき個所とそうでない個所でメリハリをつけて読みやすくする必要があります。

テキストメールを活用するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 通常のメールと同じように入力できるので、専門的な知識やツールが不要
  • サイズが小さいため、ユーザー側の環境に依存せずに受信できる

デメリット

  • 開封率などのデータを確認できない
  • メール内に記載されたURLがそのまま表示されてしまう
  • テキストのみの使用のため、視覚的な訴求に限界がある

HTMLメール


HTMLメールは、画像や動画の挿入やレイアウトの変更、デザイン書式などが利用できるメールです。Webサイトを作成するときと同様の言語で作成します。

見た目が華やかで視覚的な訴求力が高いため、文字のみでの情報の訴求を行うよりも3倍程度クリック率が高いといわれています。ハイパーリンクも利用できるため、読者にURLを見せずにリンクを設置することができます。

下記はHTMLメールを利用するメリット・デメリットです。

メリット

  • 開封率やクリック率などのデータを把握できる
  • ハイパーリンクを活用できる
  • 視覚的に華やかになり、訴求力を高められる

デメリット

  • 制作時にHTMLの記述やstyleの記載などの専門的な知識が必要になる
  • メールが正しく表示されるかどうかは読者のメール閲覧環境に依存する
  • メール自体の容量が大きくなるため、表示されるまでに時間がかかる場合がある

メルマガ配信の4つのステップ


メルマガを実際に配信する際は、4つのステップ「①企画②作成③配信④評価」で行います。配信したら必ず効果測定を行い、改善に取り組むことが大切です。

それぞれのステップについて詳しくみていきましょう。

①企画


まずメルマガを配信するには、「いつ/誰に/何のために」配信するのかという企画を考える必要があります

どれだけ有益なコンテンツを用意しても、配信する対象やタイミングを誤ってしまうと読んでもらえる可能性は低くなります。関係性を構築できていない読者に多くのセールス情報を送ると、配信停止や購読解除にもつながりかねません。

メルマガを配信する目的やゴール、ターゲットなどを具体的に決めておくことは、ターゲットとの関係構築や態度変容に加え、その後の作業の効率化や、メルマガ配信の効果をより高めることにつながります。

②作成


メルマガを作成する際のポイントを「件名・本文・デザイン」に分けて解説します。

件名

メルマガの件名は読者が最初に目にする箇所であるため、開封率に大きく影響します

件名はパワーワードを含む30文字前後で簡潔に表現し、特に冒頭15文字に力を入れることが大切です。メルマガの内容を瞬時に理解できる件名が理想的です。

その他、以下の「4Uの原則」に則って、読み手の関心を引く件名を作成しましょう。

  • Useful(有益性):メールを開封することで得られるユーザーにとってのメリットや潜在的なニーズを訴求する。
  • Urgent(緊急性):「期間限定/今だけ」など今すぐメールを開封しないといけない理由を記載することで、開封率・CVRの向上が見込める。
  • Ultra Specific(具体性):数値や専門用語、独占的情報などを記載することで具体性を高め、ユーザーの興味関心を醸成する。
  • Unique(独自性):競合他社との差別化を図り、開封してもらいやすくするためには、自社独自の表現を行うことが重要。

本文

メルマガの本文では、読者側の視点に立って、最も訴求したいコンテンツを1つ記載することが大切です。「1回のメルマガに1テーマ」を基本とすることをおすすめします。

複数のコンテンツを訴求したい場合は、優先順位をつけて記載しましょう。ただし、いくら優先順位をつけたとしても、長い文章になってしまうと最後まで読んでもらえる可能性は低くなります。伝えたい内容を絞り込んで簡潔にまとめることで、より効果的に訴求することができます。

また、本文の上部が最もよく読まれる傾向にあるため、重要な情報や最も訴求したいコンテンツを先に記載することも重要です。メルマガを作成できたら、客観的に何度か読み直して修正し、より洗練されたコンテンツを目指しましょう。

デザイン

メルマガのデザインを工夫することは、メルマガの開封率や読みやすさの向上につながります。特に、「情報がわかりやすい」「企業イメージに沿っている」「CVへ誘導しやすい」という3つのポイントが大切です。

テンプレートを活用したり、オリジナリティを強く打ち出したい場合は、自社独自の画像の添付や、企業カラーをテーマカラーとしたデザインにする方法もあります。色は自社サイトに合わせて2~3色に抑えることで、まとまりがあり読みやすいメルマガになります。

その他、フォントや商品の魅力が伝わる画像、CTAボタン、ヘッダーやフッターなど、読者目線になって様々な工夫を施しましょう

HTML形式のメールの場合はコーディング業務が必要になるため、デザイナーに依頼するか、簡単にHTMLメルマガを作成できる機能が備わっているメール配信システムの活用をおすすめします。

③配信


メルマガの配信方法・形式を決めて、ターゲットに適した配信頻度や日時にメルマガを配信しましょう

メルマガの配信方法については、先述した「メールソフトでのBCC送信・メルマガ配信システム・MAツール」の中から、目的やゴールに応じて最適なものを選びます。形式も先述した通り、テキストとHTMLがありますが、開封率やクリック率などのデータを確認できるという点でHTMLメールをおすすめします。

また、メルマガを配信する前にはプレビューとテストの実施が必要です。スペルやリンク、レイアウトなどにミスがないかを最終チェックすることで、より質の高いメルマガ配信を行えます。

④評価


メルマガを配信した後は、必ず効果測定を行いましょう

特に、メルマガが開封されたパーセンテージを示す「開封率」や、メルマガ内に設置されたリンクがどのくらいクリックされたかを示す「クリック率」などのデータを分析・評価します。

開封率はメルマガ配信における重要なKPIであり、「開封数÷メール到達数×100%」で算出できます。平均率の目安は20%程度なので、下回る場合は件名や構成をはじめ、本文やレイアウト、配信対象、配信頻度、配信タイミングなどを見直して改善し、PDCAサイクルを回していく必要があります。

効果的なメルマガを作成するポイント


メルマガ配信でより成果を出すためにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?本章では、効果的なメルマガを作成する際に大切な3つのポイントについて解説します。

①読者目線


繰り返しになりますが、効果的なメルマガを作成するには読者の視点に立つことがとても大切です。

最新情報やお役立ち情報をただ提供するのではなく、自社に親近感や安心感を持ってもらえるような内容を発信し、より良い関係性を構築する必要があります。

たとえば「お客様の声の紹介」や「人柄が伝わるような社員の一言日記」「自社独自のこぼれ話」など、キャンペーン情報を配信する際にも、より身近に感じてもらえる内容を意識することをおすすめします。自社と顧客をつなぐコミュニケーションツールとしてメルマガを捉えることが重要です。

②コンテンツの有益さ・読みやすさ


メルマガが有益なコンテンツを提供しているか、読みやすい内容かという点は、メルマガにおける最重要ポイントのひとつです。

具体的には、先述した「情報伝達・送客・購買」というメルマガ配信の目的に沿ったコンテンツになっているかということや、見やすい配色・レイアウト・構成かどうかなどをチェックしましょう。適度な改行やコーナーごとの罫線、目立ちやすいCTAボタンの設置などの工夫も必要です。

その上で、読者の悩みや課題解決に役立つ情報やお役立ち情報、クーポンの配布など、ユーザーにとってメリットのある情報を提供します。

③行動を喚起する


メルマガを読んだ後に、読者が特定の行動を起こしたくなるような内容にすることも大切です。

メルマガの本文にCTAボタンやURLを記載することは非常に有効ですが、ただ設置するだけでは高い効果を得られません。レイアウトやコンテンツの流れを意識して適切な箇所にリンクを配置することで、高いクリック率が見込めます。

クリックした遷移先ではどんな価値やメリットが得られるかをあらかじめ明記しておくことで、クリック率・CVRの向上にもつながります。

反応が鈍い場合は「リンクへ誘導する構成はおかしくないか」「CTAボタンはわかりやすい場所にあるか」「読者にとっての価値が明記されているか」などの点をチェックし、改善を行いましょう。

メルマガ運用の成功事例6選


メルマガを運用して大きな成果を得た事例6選を紹介します。メルマガ配信を行う際にぜひ参考にしてください。

①株式会社エルブレイン|家具、建築建材、照明などの輸入販売


家具、建築建材、照明などの輸入販売や空間を中心としたデザイン業務を行う株式会社エルブレインは、新規顧客の獲得などの課題解決のためにMAツールを導入し、顧客管理とメールの配信を行っています。

MAツールを導入したことで、Webサイトのアクセスログに基づいてアプローチを行うなど、それまでになかったコミュニケーションが取れるようになりました。また、見積もりの提出や訪問予定など、各営業の状況を可視化して把握できるようになったことで、様々なコンセンサスが取れるようになりました。

メルマガを開封した履歴からアプローチを行ったところ発注へとつながるという成果が得られました。月1回のメルマガ配信を各営業が月替わりで担当することで、メンバーの意識にも変化が見られたそうです。

>詳しくはこちら:メルマガ配信でリードを獲得。新しいビジネススタイルを構築して受注がアップ|株式会社エルブレイン様

 

②DNライティング株式会社|LED照明器具メーカー


DNライティング株式会社は、百貨店やホテル、美術館などに採用されるLED照明器具を設計・生産するメーカーです。

安心・安全な運営体制と情報発信ができるホームページを目指すため、同社はクラウドサーカス社のCMS「BlueMonkey」とデータベース「Plusdb」を導入し、製品を見やすく、誰でも使いやすいホームページへとリニューアルしました。利用しやすくしたことで、コロナ禍でも情報発信を通して顧客との関係を維持することができたそうです。

他にも、マーケティング施策として実施しているオウンドメディアの更新や、メルマガの配信で高い平均開封率を維持している同社は、ホームページを整えたことで、URLをクリックした後の着地点として有益な情報を提供することができるようになりました。ホームページのセッション数は継続的に増え、有効なお問合せ数も伸びています。

メルマガ配信の効果をより高めるために、土台としてのホームページをしっかりと整備することが重要だとわかる一例といえます。

>詳しくはこちら:継続的な情報発信で顧客に支持されるホームページに!Webマーケの推進で営業の意識も変化|DNライティング株式会社

③株式会社メディカルトラスト|企業内健康管理のアウトソーシング事業


株式会社メディカルトラストは、企業内健康管理のアウトソーシング事業を行っています。

同社は保有リストを有効的に活用できておらず、顧客情報を蓄積する仕組みもないという課題がありましたが、MAツールを導入して、問い合わせフォームの作成と設置、メルマガの配信を行いました。

月に1回の産業保健向けのメルマガ配信では、Webサイトのコラム記事に誘導させるためのコンテンツとセミナーの案内を掲載。問い合わせや資料請求へ誘導するリンクを貼るなどの工夫も行いました。

メルマガ配信でのセミナー集客では、毎回10~30程度のエントリーが集まり、100名を超える参加者を集客できるようになりました。問い合わせのリード情報を一元管理することで、より効率的にアプローチできるようになったとのことです。

>詳しくはこちら:MA活用でメルマガ配信のたび30件のセミナーエントリーが来るように。知識がなくてもとても使いやすいツールです|株式会社メディカルトラスト

 

④株式会社生出|梱包材、緩衝材の企画・設計・製造


株式会社生出は、梱包材、緩衝材の企画・設計・製造を営む企業です。

同社はアウトバウンド営業の効率化や顧客の確度の可視化、商談の窓口となるターゲットの見極めなどを目的としてMAツールを導入し、メルマガ配信だけではなく、顧客情報のMAツールへの登録やメール配信の行動ログからアウトバウンド活動の営業リストを作成するなどの施策を行いました。

3回行われたメルマガ配信では、1回目から開封率28%、リンククリック率4%という高い数値が得られ、メルマガ配信を通して見積もりの依頼がくるなど、案件の掘り起こしにもつながりました

開封率やリンククリック率などの顧客動向の可視化は、データの的確な分析へとつながり、今後の施策を検討する際に大きな役割を果たしたとのこと。「クリックしてくれた」という顧客動向をチェックできることで、「関係構築ができている」というモチベーション向上にもつながったそうです。

>詳しくはこちら:メルマガ配信をきっかけに商談化、メール開封率28%、クリック率は8%を達成!BowNow導入で新たに資料ダウンロードコンテンツを作成し、営業体制の変革へ|株式会社生出

⑤株式会社ヴィクトリー|医療機器の総合商社


医療機器の総合商社である株式会社ヴィクトリーでは、顧客情報の一元管理やリード情報の共有ができておらず、営業活動が個人のアプローチに任されており、「営業体制の構築」という大きな課題がありました。

そこで同社は課題を解決するため、MAツールを活用したメールアプローチ施策を実施しました。メールに設置したリンクから商品ページを見てくれる顧客が増え、メルマガをきっかけにした案件獲得も実現したほか、セミナー参加者の集客も行い、MAツール導入前よりもセミナーへの参加者が1.5倍に増えました

また、MAツール導入と同時にホームページを整え、ホームページに各商品ページと問い合わせフォームを設置した結果、Webからの問い合わせが劇的に増加。2ヶ月連続で問い合わせから成約に至るなど、メルマガ配信施策などを通して大きな成果が得られました。

>詳しくはこちら:MAでのメルマガ配信で、2ヶ月連続で案件を獲得!ほぼ既存顧客のみだったセミナーにも新規参加者が増え、参加人数が1.5倍に|株式会社ヴィクトリー様

⑥株式会社タイメック|金属加工業を主軸とした多岐にわたる事業


金属加工業を主軸とし、多岐にわたる事業を展開する株式会社タイメックは、メルマガを配信していたもののお問い合せや商談につながらず、配信後のアプローチも行えていないという課題がありました。

メルマガ配信後のユーザー行動の可視化やアプローチ強化のためにMAツールを導入した同社は、月2回の定期的なメルマガ配信を行い、クリックしてくれた顧客に向けてテレアポを行うという施策を実施しました。同時に、クリックや開封が多い時間帯を把握して配信時間に反映したり、テキストメールから読みやすい見た目のメルマガへ改良したりするなど工夫も施しました。

その結果、メルマガから見積もり依頼を経て受注に繋がったほか、メルマガを通して紹介や問い合わせにつながるなどの成果が得られました。メルマガの見た目を大きく変えたことで、「おもしろいね」と評価をもらう機会も増えたそうです。

>詳しくはこちら:「そういうことってあるんだ!」BowNowを通して、予想外の繋がりが増えていく。コツコツ定期配信で、メルマガによる受注も獲得!|株式会社タイメック様

メルマガを配信する際の注意点


メルマガを配信する際には、法律で定められたルールに注意する必要があるため、迷惑メールの送信を規制するための「特定電子メール法」や「個人情報保護法」への理解が必須です。

以下では3つのポイントに絞って注意点を紹介します。

【参考】
特定電子メール法
個人情報保護法等

メルマガ配信前に必ず受信者の同意を得る


メルマガを配信するには、受信者の同意が必要不可欠です。 会員登録時や商品の購入時、申し込みなどの際に必ず「メルマガ配信を希望するかどうか」を確認し、同意を得られた人だけに配信しましょう。

配信停止できる機能を用意する


受信者がメルマガの配信停止をいつでも簡単に行えるように、配信停止できる機能を用意したり、メール内に手続きの方法などを記載したりすることも大切です。

メルマガ配信を停止するために必要なプロセスを事前に設定し、手続き方法を記載した上で、配信停止申請ができるURLをメールに記載しましょう。

送信者の情報をメール内に記載する


送信元のメールアドレスをはじめ、企業名や担当者名などの送信者の情報を、メール内に記載する必要もあります

受信者に「どの企業から・誰から送られてきたメルマガなのか」ということをすぐにわかってもらえるようにすることが大切です。多くのメルマガでは、フッター部分にこれらの情報を記載している傾向にあります。

まとめ


本記事では、メルマガの基礎知識や配信方法、実際の成功事例などを紹介しました。

メルマガは最も基本的なマーケティング手法であり、様々なデバイスや媒体が登場した現在でも多くの企業で活用されています。メルマガを配信するためのツールも数多く登場しており、業務の効率化やデータ分析の精度などは非常に向上しています。

成功事例でも紹介したように、メルマガ配信にはMAツールやメール配信システムなどのツールの活用がとても有効です。うまく活用すればメルマガ配信はもちろん、マーケティング施策全体を効率化できます。

無料で利用できるツールも数多く登場しているので、メルマガ配信を始める方やメルマガで成果を上げたい方、またメルマガ配信における業務効率化を実現したい方などは、まずはお試し感覚で利用してみることをおすすめします。

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